友よ

目から涙が溢れ出す。

こんなはずではなかった。しかし、抑えようとしても、止まらない。
本来なら楽しくてしょうがない、そんな風になるだろうと思っていたのに。

昨夜の事だ。

私は久しぶりに友人と夜釣りに行く事になった。友人との釣りは久しぶりで、「夜明けまで釣りしまくろうぜ」などと友人と話し、待ち合わせ時間までに夕食を済ませ、その時を楽しみにしていた。

20時。待ち合わせ時間に友人と会い、軽い談笑もそこそこに釣りを始めた。気温もちょうど良く、海風が気持ちいい。最高の夜釣りの環境だ。

「よし、釣れた！」
「俺も！俺も釣れた！」

小さいカサゴや小鯖が釣れだした。これは楽しい。もっと大物が釣れるに違いない。そう思っていたのも束の間、20分もするとアタリすら全くこなくなった。そして、その途端、急な眠気に襲われた。

「ふぁ～。ふぁぁ～。」

あくびが止まらない。涙が溢れ出す。友人との会話も途切れ途切れになり、意識が飛びそうだ。

そんな私を見て友人が寂しそうに言い出した。

「…なんか疲れているみたいだし、今日の釣りは終わりにしよう。」

「いや、大丈夫…だよ。まだ…21時前だし、久しぶりの夜釣りだし…。ふぁぁ～。」

まだ釣り始めてから1時間も経っておらず、あまりの申し訳なさに弁明したが、あくびと涙が止まらない。

結局、朝までやるはずだった夜釣りはわずか50分で終了となった。昔なら徹夜しても全然平気だったのに、まさかこんなに夜に弱くなっていたとは…。

今朝、友人に謝罪の連絡をした。友人は優しく許してくれ、逆に提案をしてきた。「次は朝釣りに行こうぜ！」と…。

ありがとう、優しき友よ！朝なら大丈夫だ（と思う…）。