異性

私の娘は、アイドルに興味がないらしい。

私の小6の頃であれば、クラス内の女子の大半はジャニーズに夢中で、誰かしらのアイドルの下敷きを持っていたものだった。

全くアイドルに興味がないというのも、どうなのだろうか。憧れの存在がいないというのは寂しくないのだろうか。

娘に聞いてみた。

「アイドルじゃなくても誰か好きな男性芸能人は、いないのか？出来れば、将来一緒に住んでみたい人とか？」

好きな男性芸能人は全くおらず、将来は仲良しの友達A子ちゃんと一緒に住む事を約束しているらしい。

思わず、居間を後にし、台所にいた妻に「将来は女友達と一緒に住むとか言ってるぞ。小6にもなって異性に興味がないというのは、どうなんだ？」と聞いてみた。

妻曰く、私が幼少時代の娘に、
「いいかい。良く聴くんだよ。男は狼だから２０歳になってから。男は２０歳から。」
とアホな事を教え込んでいたからじゃないかとのこと。

…言われてみれば、幼少時代、娘への可愛さから、そんな事をよく言っていたような気がする。

昔、誰かから言われた言葉が頭を木霊した。

「娘と言うのは、知らず知らずと父親の面影を追うものなんだよ。しっかり者の父親を持つと、しっかり者の夫を見つけてくる。アホな父親を持つと、アホな夫を見つけてくる。あなたは、どんな婿がいいんだい？」